





商店街の雲
青森県十和田市のアートによるまちづくり事業の一環で、人通りの少なくなった商店街に、市民や観光客を呼び込む仕掛けとしてアートファニチャーを提案しました。十和田市はこれからのまちづくりとして、商店街の使われなくなった場所に新たな用途、交流施設など、人々に使われる公共スペースを付加したり、近くの美術館などから人の流れを商店街に促す仕掛けを街に施すなど、街の回遊性を生み出す新しいまちづくりに取り組んでいました。最初に商店街を訪れた時に、まず目に付く、昔ながらのシンボリックなアーケードを見て、この力強い構造物は、空き店舗が多く活気を失った商店街には不釣り合いだと感じましたが、既存の商店街の骨格は活かしつつ、そこに新たなプログラムを取り入れながら、引き続き街の歴史を積み重ねようと動き出している商店街を知り、堅牢なアーケードとこれからの商店街をやわらかくつなぐファニチャーを提案したいと考えました。メッシュ構造により立ち上げた透明感のあるボリュームは、普段は商店街の風景に溶け込んでいますが、ベンチとして使われる時には、そこに一つの公共空間が立ち現れます。今後、多角的に展開していく商店街に対し、アーケードと共に、人々の活動を見守る背景のように存在できたらと考えました。