街の骨格を使って街に透かしを掛ける

今すでにあるものを活かして、街の骨格を再構成できないか。既存の骨格を使って、新たな価値をつくり出す試みです。掛川は自然のエネルギーが強い街です(中心市街地の野生味あふれる植栽帯は生き生きとしています)。中心市街地のあちこちに、自然のエネルギーを感じる仕掛けをつくると、従来の都市構造の上に「セントラルパーク」としての顔も作れるのではないかと考えました。その仕掛けの1つとして「透かしを掛ける」を設置しました。この作品は、時間帯や天候により見え方が大きく変わります。風に吹かれ、光を反射し煌めきを放つ時もあれば、そこに静止し微動だにしない時もある。移ろう自然と連動するように、瞬間瞬間で違う表情を見せる作品です。

都会では、自然よりビルや人や車が目立ち、自然はその雑踏に添える程度に、綺麗にメンテナンスされた状態で佇んでいるように見えます。一方、地方の空洞化した街を歩いていると、ビルや人や車より自然に目が行くように思いました。それは、ビルや人や車の活動量が、都会に比べて少ないから、自然の方が活動しているように感じるのか。また、メンテナンスも追いついていないのか、野生的なありのままの姿を見せているのが、余計に生き生きしていると感じて、この中心市街地の主人公は、実は自然なのではないか、というところから、風の強さや日差しの強さと共に、その自然のエネルギーを感じる仕掛けをつくりたいと考えました。街の骨格をつくっている建築物は、十分に使われずに手持ち無沙汰で、役割を待っているようにも見え、その骨格に、自然体感装置のサポートという役割を与えようと考えました。

かけがわ茶エンナーレ2024